松阪牛とは

松阪牛の定義

  • 黒毛和種、未経産の雌牛
  • 松阪牛個体識別管理システムに登録されていること
  • 肥育は松阪牛生産区域(旧22市町村)でのみ肥育され、生産区域での肥育期間が最長・最終であること
  • ※生後12ヶ月齢までに松阪牛生産区域に導入されたこと

以上の条件をすべて満たし出荷されたものが松阪牛と定められています。
※松阪牛生産区域への導入する生後12ヶ月齢までの子牛の条件につきましては、平成28年4月1日以降に導入された牛が対象となります。

安心
安全
松阪牛個体識別管理システム

このシステムは、生産者が手塩にかけて育て上げた松阪牛1頭1頭の個体情報や肥育農家情報など、導入から出荷までをデータ管理する、松阪牛独自のトレサビリシティシステムです。

平成13年(2001年)の狂牛病の発生や食肉偽装事件をきっかけに、消費者の牛肉に対する不信感を解消し、安心安全で信頼できる松阪牛ブランドを守るために、国の個体識別システムに先駆けて稼働しました。

松阪牛は、全国各地の優秀な子牛を松阪牛生産地域に導入後、すべてこのシステムに登録されます。
それにより、牛の性別や生年月日、出生地だけでなく、名前や血統、肥育日数、農家の情報、えさの内容など36項目のデータが集積されます。

このデータ収集は、システムを管理運営する三重県松阪食肉公社の職員が直接牛舎まで行き、登録する松阪牛を全頭確認していますので、大変信頼性の高いものとなっています。

こうしてシステムに登録された松阪牛の情報は、松阪牛証明書・松阪牛シールに書かれている10ケタの個体識別番号を、パソコンやスマートフォンのインターネットで検索すると、誰でもその場で確認することができます。

消費者の皆さまが一目で確認でき、
安心して松阪肉をご賞味いただけるとともに、
まさに皆さまと肥育農家とを結ぶ架け橋となっています。

個体識別番号の検索はこちらから

松阪牛の美味しさの秘密

松阪牛の香り

美味しさは香りが決め手

美味しさを決める要素の中で、香りの果たす役割は大きくなっています。

風邪などで鼻がつまっていると食事が味気なく感じることがあり、これは食品の香りを識別できないために美味しく感じないことによります。

和牛香

和牛香は、熱を加えた時の和牛肉(霜降り肉である黒毛和種の牛肉)の香りとして現れます。

松阪牛の和牛香は、甘くコクがある上品な香りが特徴です。

和牛肉の美味しさの原因

和牛肉と輸入牛肉の比較研究の結果、≪和牛肉は輸入牛肉と違って、甘くてコクのある特有の香りが豊かであること≫が美味しさの主原因であることがわかりました。

香りの成分

種類は多種多様で、桃やココナッツ、その他の果実の香りを持ったものもあり、他にも脂や樹木の香気成分が多くなっています。
これらの多様な成分の集合として作られる美味しい香りを「和牛香」と呼びます。

和牛香の発生状況

薄い食塩水に和牛肉を入れて80℃で2分間加熱すると最も強く感じられ、さらに温度を上げるとかえって弱まりました。
そのことから、和牛肉はすき焼きやしゃぶしゃぶで食べると美味しさが引き立つことがわかります。

松阪牛の脂肪

美味しさに関係する脂肪の質

「美味しさ」については個人差がありますが、よく言われる表現に「とろけるような味」とか 「滑らかな舌ざわり」があります。こうした美味しさに関係することの一つとして、 脂肪の質が影響すると考えられています。

松阪牛の脂肪の特徴は 豊富な不飽和脂肪酸
脂肪の種類

脂肪には「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」があり、和牛肉では飽和脂肪酸に対する不飽和脂肪酸の比率が輸入牛やその他の品種に比べて大きくなっています。

松阪牛は一般的な和牛よりもさらに豊富に この「不飽和脂肪酸」を含んでいます。

不飽和脂肪酸と健康

最近日本人の食生活が変化し、脂肪の摂り過ぎが問題になっていますが、不飽和脂肪酸はコレステロール低下作用や発ガン抑制作用に関係しています。
適度な摂取は高コレステロール症やガン抑制に効果があるということです。

不飽和脂肪酸を豊富に含む 松阪牛は実はヘルシーなお肉なのです 

不飽和脂肪酸と美味しさ

健康面だけでなく、不飽和脂肪酸は融点(脂肪が溶け出す温度)が飽和脂肪酸より低く、従って和牛肉を口に含むと脂が溶けて口当たりが良くなり、輸入牛肉などに比べて美味しく感じられるのです。

松阪牛のとろけるような食感はこの豊富な不飽和脂肪酸が関係しているのです!

松阪牛の食感

松阪牛の脂肪は低い温度で溶ける

不飽和脂肪酸は融点が低いので、これを多く含む牛肉を口に入れるとすぐに溶けてまろやかな感じになります。

松阪牛の脂肪の特徴

松阪牛は不飽和脂肪酸の比率が高いので、乳用種や交雑種はもちろん、同じ和牛と比べてもさらに融点が低く、とてもに舌ざわりが良くとろけるような食感となり美味しさが強調されます。

※ 松阪牛の脂肪融点は、現在の研究では17度前後。
中には13~14度くらいのものもあり、手のひらに乗せただけで溶け出すほどです。

品種 組織 融点(℃)
松阪牛 皮下脂肪 17.4
和牛 皮下脂肪 25.9
交雑種 皮下脂肪 29.9
乳用種 皮下脂肪 30.2

・松阪牛のデータは三重県畜産研究所2006年3月27日現在〈参考:検体数288頭の結果より)
・その他のデータは愛知県農業総合試験場・畜産研究所・肉牛研究室の1994~2001による。